講演会おかげさまで無事終了しました
8月26日、INAX (イナックス) 主催の セミナー
「コミュニケーションを育むリフォーム」~家族が幸せで、明るく豊かに暮らす家づくり~ の演題で約2時間講演をしてきました。
今回はINAXに登録している建設業者の方だけの集まりでしたが、リフォームをやっている業者さんからコミュニケーションをテーマにした講演をして欲しいという希望があって、私にオファーがあったことを聞き驚きでした。
リフォームの現場でも、便利性や快適性ばかりでなく、家族のコミュニケーションを含めた様々な取り組みが要求されているからなのでしょうか。
戦後から高度経済成長をへて日本の社会は便利、快適、効率性の向上を目指して発展を続けてきました。
私たちの住まいも例外ではなく、特に設備、素材、は技術革新によって大きく変わりましたがそれでも便利、快適性の欲求は留まることを知りません。
しかし、そうしたハードの部分は著しく発達したものの、親子のスキンシップや自然にコミュニケーションを育む家族空間は、といったソフトの部分はないがしろにされてきました。
住まいがどんなに便利で快適になってもいい家にはなりません。 それはいい家にする必要十分条件の必要条件の一つにすぎません。 じつはこの事を認識していない建築関係者を含めユーザーは以外と多いのです。
豊か過ぎるこの時代、現代の住宅が見失ってしまったものはなんでしょうか。
かつての住まいを振り返って現代の nLDK住宅は、「何を失って何を得たのか」を改めて検証する事は大切だと思います。
様々な事例をあげながら話をしてきました。 猛暑のなか業者の皆さんお疲れ様でした。
駆け足の夏休み
後半は都内新国立美術館で開催されているオルセー美術館展の鑑賞。(8月16日終了)
信州、軽井沢信濃追分の平岡文庫で作家、角田光代氏と根本昌夫氏の対談を聞きに行きました。
平岡文庫の建物は建築家、内藤廣の作品でぜひ見たい建築でした。木とポリカーボネイトのシンプルで爽やかな室内空間でした。
対談の後は 「風立ちぬ」、「聖家族」、「美しい村」 の小説を書き、軽井沢で生涯を閉じた 作家、堀 辰雄 の記念館を巡ってきました。 以前から好きな作家でしたので楽しいひと時でした。
翌日は名古屋でお墓参りをし、京都に入り 大文字焼の送り火を鴨川の川原でビールを飲みながら亡き人を偲びました。
- 建築家 黒川紀章の設計 新国立美術館
- オルセー美術館展
- 着色された木とシンプルな屋根
- 軽井沢平岡文庫 内藤 廣 設計
- 鴨川の川原から見た送り火
いつもの年は大文字の送り火が終ると、秋の気配がするものですが、相変わらず猛暑が続いています。
お体にご自愛を。
駆け足の夏休み
今年の夏は、土、日や一般的な夏休みの時期に全部を 住宅相談日 にあてていましたので長期には取れませんでした。
それでも7月の前半と8月の中旬にお墓参りを兼ね、諏訪、信州、都内、京都と駆け足で巡ってきました

諏訪 霧ヶ峰高原 ゆるやかな起伏が続く霧ヶ峰高原

高山植物 ニッコウキスゲ

諏訪湖の畔に建つ諏訪博物館の外観 建築家 伊藤豊雄の設計

- 諏訪博物館の内部写真です。
霧ヶ峰高原や尾瀬に咲くユリ科のニッコウキツゲは以前は黄色のジュウタンのように咲いていたそうですが、年々少なくなり、この日もあまり咲いていなく残念でしたが幻想的な花は魅力的でした。
諏訪湖のほとりに建つ諏訪博物館は、この近くの出身の伊藤豊雄の作品です。
ユニークなアルミシルバーの外観で内部は木の仕上げで間接照明が美しい建物でした。 外観のユニークさに比べ室内空間は少し単調な印象を受けました。
その夜は諏訪湖のそばに建つ旅館で、諏訪湖を見ながら地元のお酒 真澄 (ますみ) を飲み夏の一日の疲れを癒しました。
I 邸 スケルトン・リフォーム工事
『中庭のある家』 二世帯住宅の家
設計図面 F邸平面図が出来るまで
二世帯住宅 6 希望条件 「中庭のある家」
前回提出したA案、B案をご家族でいろいろな角度から検討していただきました。
どちらの案を選ぶということではなく双方のいいところだけを選択するという、良いとこ取りの考え方で、家族全員で検討していただき、出来上がったのがC案です。
以下はどんな家族の話し合いをしてC案になったかのプロセスです。
玄関ホール
親世帯、子世帯とも玄関に入ったら、直接中庭が見えるようにという希望でC案が修正されています。
中 庭
中庭を通してお母さんの気配が分り、また寝室からも中庭の緑を楽しみたいとの事でB案を選択しています。
キッチン
A案のオープンキッチンより、独立型のキッチンのほうがリビングが落ち着き、1人で音楽を楽しみたいとの理由でB案を選択されました。
サニタリー部分 (洗面、洗濯、浴室)
サニタリー部分は、何かとキッチンに近い方が便利ということで、A案の位置を選び一部修正をしています。
Fさん家族は新たに出されたC案を元にさらに検討を加えていくことになります。
設計図面 F邸
I 邸 スケルトン・リフォーム 解体工事
夏の日差しが照りつける中、二週間以上かけて室内解体工事が完了しました。
I邸の以前の記事はこちらから
下の写真は解体後の写真です。 元の設計図と比べると多少の食い違いはありましたが、ほぼ計画通りのプランで大丈夫なことが分り、ひと安心です。
東京地方連日30度以上の猛暑の中、建物の内部は40度近くあったのではないでしょうか。そんな中4時間以上設計寸法の再確認や、補強方法の検討など暑さとの戦いの作業でした。
これからの作業は撤去する柱、新しく設ける柱や壁など結果として考えている間取りを実現し、地震に強く断熱性や気密性を高めるよう配慮しながら進めていくことになります。
著書『住まいに居場所がありますか』大学入試問題に採用されました
前回のブログにもご紹介しましたが、新たにもう一校の大学の国語の入試に引用されました。
一冊の本から二つの大学から引用されたことを、素直に喜びたいと思います。
採用された部分は、高層マンションの高層階での子育ては、子どもに様々な悪い影響を与えやすいということを、事例を用いながら書いた部分です。
東京都内に限らず、高層マンションが乱立し、高層階ほど人気が高いという現象に、その環境が子どもや高齢者にどんな影響を与えるかに、警鐘を与えたいという意味もありました。
正面からこの問題を取り上げる人が少ないだけに、その部分が取り上げられたことがとても嬉しく思いました。
『中庭のある家』 二世帯住宅の家
F 邸 平面図ができるまで
二世帯住宅 5 希望条件 『中庭のある家』
A B案共通した設計コンセプトで設計されていますが、お客様が様々な暮らしのイメージを描けるように、あえてプランを変えています。
二つの平面プランを見ながら、どちらかを選ぶというのではなく『いいとこ取り』 ではないのですが家族で話し合いながら、例えばリビングはA案がいい、キッチンはB案がいいといったように、楽しみながら自由に検討して頂きます。
そんな家族の話し合いを経て、次の打ち合わせに入ります。
京都のディテール 『犬矢来』 (いぬやらい)
駆け足で京都に行ってきました。
仕事の途中アトリエからも近い、東山にある好きな「八坂の塔」界隈を歩きました。
坂の下から見るより、写真のように二年坂から下った位置から見る「八坂の塔」が好きです。
特に晴れた日の夕方は、西山に沈む夕日が見え、そして太陽が沈んだあとのグレーの暮色に染まった八坂界隈はとてもいいです。
歩いていたら出来たばかりの真新しい竹で作られた『犬矢来』がありました。
町屋の外観を彩る 『犬矢来』 は意匠は様々ですが、建物と道との境として巡らし、道からの泥やほこりを除く役割を持ちます。
道路に面した建物の設計をしていて苦労するのが、常時点検の必要がある電気やガスのメーターをどのように見せるかです。
写真のように『犬矢来』のなかに上手く工夫されデザインされています。
左の小さな穴がガスメーター、右の二つが二世帯住宅なのか電気メーターです。
京都の街を歩くといたるところにこんな工夫がみられます。 微笑ましかったり、洗練されていて驚いたり、そんなところが好きです。
I 邸 スケルトン・リフォーム工事
文京区の日当たりの良い高台に I さんご家族は家を購入されました。
地下1階、地上2階、とロフト階がある建物で、全面リフォームです。
リフォームの場合は既存の建物の構造や設備をを把握し、様々な要望をどこまで実現することが出来るかを考えます。 またリフォーム後には現在の建物より、耐震や気密性も向上させなければなりません。
従って私の事務所の場合、新築の設計より時間をかけ結果として設計図の枚数も多くなります。
事務所で数回の打合せの後、現地のリフォーム前の室内を見ながら、ご家族と打合せを重ねました。
平面プランの概要も決まり、今日が室内での最後の打合せで今週から内部解体工事が始まります。
I さん家族の要望と工事の概要をまとめると下記のようにかなり大規模なリフォームになりました。
- 全てスケルトンにし全面リフォーム。
- 家の中に吹き抜けを作り中庭を設ける。
- 地下1階から2階までエレベータの設置。
- 屋上にルーフバルコニーをつくる。
- 窓やトップライトから部屋の隅々までの明るさと通風の確保。
次回は写真掲載します。
『中庭のある家』二世帯住宅の家 F 邸平面図ができるまで
F 邸 平面図ができるまで 二世帯住宅の家
二世帯住宅 4
希望条件 『中庭のある家』
Fさんご夫婦は、これまで多くの時間をかけて理想の家づくりを考えてきた事が、 頂いた資料で分かります。
特に奥様はインテリアセミナーにも通い、10年以上住まいの情報を集めていましたので、家族の明確な暮らしのイメージをお持ちでした。
下記の写真のように新聞の切り抜き、メモ、雑誌の写真など膨大な資料でした。
Fさん家族が長い間考えた理想の家の設計を、多くの設計事務所の中からご縁があったことに、責任の重さを感じます。
これからの設計作業は、これまでの打合せと、頂いた資料、そして敷地の状況を見ながら私なりの暮らしの家族像を描き、平面図の中に落とし込んでいくという大事な作業になります。
土地を見に行った時どんな想いを持つのか、設計をする方によって様々ですが私の場合はその土地が持つ風土性や秩序、そして独特な匂いや街並の考察。
- 近隣の建物の状況や将来どのように変わるか変容の予測。
- 敷地の周辺を歩き、地域の歴史や住んでいる方の年齢層など様々な事を、これまでの経験から読み取ります。
- 交通量を調べたり、必要なら雨の降る日も再び訪れることになります。
- 設計する建物が2階建てなら、2階の窓から何が見えるか、どんな風景が見えるかを調べます。
設計をする方の中には敷地図だけか、土地の形状ぐらいしか見ない方もおられますが、私は敷地をしっかり見ることを最初の段階の最も大事な作業と位置付けています。
設計作業に行き詰まった時、敷地を再び見に行ったり、何度も思い出したりすることによって先に進む手立てになることは良くあります。
次回はA,B案の2案を掲載したいと思います。
住宅雑誌 「ハウジング トリビューン」 に掲載されました
住宅雑誌 「ハウジング トリビューン」 に掲載されました 。

掲載されたのは住生活産業総合情報誌「Housinng Tribune」vol 388号の特集記事です。
生活創造者がリードする日本の住まいの中で充実した「子育てと教育」が家族と社会の宝になる のコーナーです。
この特集では、子どもが成長し、家族を育む家とは何かを考えながら、間取り一つで家庭での教育力は変わることを指摘しています。
私はインタビューで設計の中に、目に見えない家族の「空気感」や「気配」を家のなかに取り入れることが、家族の絆や「子どもが賢くなる家」につながっていくことを述べています。
詳しい記事は、最新情報に近々中に掲載しますので、興味のある方は見ていただければと思います。
著書「住まいに居場所がありますか」 が大学入試問題に
先日私の著書「住まいに居場所がありますか」(筑摩書房)の一部が、2010年度の、大阪府立大学の論文問題に採用されたという知らせが入りました。
昨年も著書「危ない間取り」(新潮社)も帝京大学の国語の入試問題に採用されましたが、共に住まいと家族の暮らしについて書いたものでした。 出題自体、住まいのジャンルからは珍しいようで、とてもうれしく思います。 これからもしっかり 「住まいと家族の暮らし」 を見つめる設計に力を注いでいきたいと思います。 大阪府立大学の論文問題を掲載致しました。 |






















